靴下がはけない。玄関で靴を履くのに時間がかかる。足の爪に手が届かない。
先に、いちばん大事なことを書きます。
無理にかがんで、なんとかしようとしないでください。
とくに、股関節や腰の手術を受けたことがある人には、
「曲げてはいけない角度」があります。
知らずに毎日それをやっているのが、いちばんよくありません。
この記事では、かがまずに済ませる方法と、
1,000円台で解決する道具を書きます。
この記事は、かがまずに身支度をする方法の話です。体の状態を診断するものではありません。
股関節や腰の手術を受けたことがある人へ。「深く曲げない」「足を組まない」など、術後に守るべき動きが決まっていることがあります。この記事の姿勢の話より、主治医や理学療法士の指示が優先です。
そして、次のときは受診してください。かがむと足がしびれる/ここ数か月で急に曲がらなくなった/足のつけ根に痛みが出る/足の爪や皮膚に、自分では見えない変化がある。
先に|無理にかがまない。そのうえで、柔軟性は推奨に入っている
かがめないときに力ずくで曲げるのは、いちばんやってはいけない形です。
そのうえで、体の側でできることは公的な推奨にも入っています。厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023の高齢者版です。
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| 推奨されていること | 中身 |
|---|---|
| 基本の考え方 | 個人差等を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組む。今よりも少しでも多く身体を動かす |
| 多要素な運動 | 筋力・バランス・柔軟性など多要素な運動を、週3日以上行うことを推奨する |
| 筋力トレーニング | 週2〜3日行うことを推奨する |
| 注意 | 特に身体機能が低下している高齢者については、安全に配慮し、転倒等に注意する |
※厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」推奨シート 高齢者版(e-ヘルスネット、2026年9月9日 閲覧)
柔軟性は、
筋力と並んで名前が挙がっています。
ただし今日の靴下は、道具で解決するほうが安全です。
道具で「かがまない形」を作る
前に折れないなら、折らずに届く方法を用意します。
この記事で挙げる道具は、そのためのものです。無理に前へ折って、バランスを崩して転ぶほうが危険です。同じ資料でも、転倒への注意が明記されています。痛みで曲がらないときは、整形外科で相談してください。
かがめなくなるのはなぜ?考えられる4つの原因
原因① 前に折るとき、おなかがつかえる
前かがみになると、太ももとおなかが近づきます。
そこにすき間がないと、それ以上は折れません。
体が硬いのではなく、通り道がないという状態です。
この場合、無理に折ると息が詰まります。
原因② 股関節や膝が、曲がる範囲まで曲がらない
これは、努力で広げるものではありません。
関節が変形していたり、手術を受けたあとだったりすると、
曲げられる角度に上限があります。
そして、術後の人には「曲げてはいけない角度」があることがあります。
その角度を毎日超えているのが、いちばん危ないです。
原因③ 片足立ちが不安定
立ったまま靴下をはくには、片足で立つ時間が要ります。
ふらつくと、こわくて手を伸ばせません。
この場合、体が硬いのではなく、支えがないだけです。
座ってやれば解決します。
原因④ 手が、足まで届かない
腕の長さと、体の折れ方の組み合わせで決まります。
これは、道具で距離を埋めるのがいちばん早いです。
まず、①〜③のどれかを見分けてください。
椅子に座ってやれば届く → ③(バランス)。座り方で解決します。
座ってもおなかがつかえる → ①。姿勢を変えます。
座っても、そもそも足が上がらない → ②。道具を使ってください。無理をしないでください。
かがまずに済ませる|お金をかけずにできること
- 椅子に座って、足を反対の膝の上に乗せる:数字の4のような形です。
足が手に近づくので、深く折らずに届きます。ただし、股関節の術後で「足を組まない」と
言われている人はやらないでください - ベッドに仰向けになって、膝を抱えてはく:座るより、
おなかがつかえにくい姿勢です。前に折るのではなく、足のほうを持ち上げます - 靴下を先に足先へ引っかけてから、引き上げる:つま先さえ入れば、
あとは引き上げるだけです。いちばん難しいのは、つま先を入れるところです - 口ゴムがゆるい靴下に替える:きつい口ゴムは、
入れるのにも力が要ります。ゆるいものに替えるだけで変わります - 玄関に椅子を置く:立ったまま靴を履こうとするから、片足立ちになります。
座れば、片足立ちが要らなくなります
とくに1つ目と5つ目です。
この2つで済むなら、道具は要りません。
【比較】かがまずに済ませる道具2選
靴下と靴で、要る道具が違います。
困っているほうを1つです。どちらも2,000円前後です。
靴下がはけない人におすすめ|ソックスエイド
ソックスエイド 介護 靴下 自助具 靴下履き補助具 靴下補助具
靴下をかぶせて、足を滑り込ませ、ひもで引き上げる道具です。
- かがまずに、座ったまま靴下をはけます
- 着圧の強い靴下には向きません。普通の靴下と考えてください
- 手先の細かい動きが必要です。靴下をまっすぐかぶせるところにこつが要ります
| 価格 | 約1,000円 |
|---|---|
| 何をするか | かがまずに靴下をはく |
| 向いている人 | 術後・腰痛・関節が曲がらない人 |
| 楽天レビュー | ★4.69(183件) |
この商品のレビューは、読む価値があります。
「大腿骨骨折をしてリハビリ病院に入院して、ソックスエイドの存在を知りました。腰を曲げてはいけないので、自分で靴下を履く事が出来ません。誰かの手を借りるか、履かないかの2択」。
つまり、これは「便利グッズ」ではなく、人に頼まずに身支度を終えるための道具です。
そして、限界もはっきり書かれていました。「弾性ソックスは難しいですが、普通の靴下は楽に履けました」。着圧の強い靴下には向きません。むくみ対策の着圧ソックスをはくために買おうとしている人は、ここを知っておいてください。
もう一つ。「超高齢の父は手先が思うように動かず、靴下を真っ直ぐ被せるのに、ちょっと苦労していて」。この道具にも、手先の細かい動きは要ります。
玄関で困る人におすすめ|長い靴べら
靴べら ロング くつべら 漆ぬり 茶 75cm
立ったまま使える長さの靴べらです。かがまずに靴を履けます。
- 65〜75センチくらいあると、立ったまま使えます
- 玄関に出しっぱなしにできるものを選んでください。しまうと使いません
- かがまずに履けると、靴のかかとを踏まなくなります
| 価格 | 約2,199円 |
|---|---|
| 何をするか | かがまずに靴を履く |
| 向いている人 | 玄関で時間がかかる人・かかとを踏んでしまう人 |
| 楽天レビュー | ★4.63(495件) |
レビューに、置き方の工夫がありました。
「スタンド付と悩みましたが、磁石を利用して靴箱の扉に貼り付けすることにして、スタンドなしのこちらを選びました」。
置き場所が決まっていないと、使わなくなる道具です。買う前に、玄関のどこに置くかを決めてください。
「長さもあり、腰を屈めなくて済む」「とても長く、かがまなくても楽に靴が履けます」。評価は長さに集中しています。短いものを買うと、結局かがみます。
2つを比較|価格と役割の早見表
→ 表は横にスクロールできます
| 道具 | 価格の目安 | 何ができるか | 向かない場面 |
|---|---|---|---|
| ソックスエイド | 約1,000円 | かがまずに靴下をはく | 着圧の強い靴下/手先が動かしにくい人 |
| 長い靴べら | 約2,199円 | かがまずに靴を履く | 短いものを買うと、結局かがむ |
両方いる人は、両方でいいです。
合わせて3,000円ほどで、毎朝の「はけない」がなくなります。
そして、これは我慢の問題ではありません。かがめないまま毎日かがんでいると、腰や股関節に負担が積み上がります。道具で避けられるなら、避けるほうがいいです。
ソックスエイドと靴べらの口コミ
使っている人の声を調べました(楽天のレビュー 678件を確認)。
満足している点
- 「本当にスルッと履けたのにはびっくりです」という報告
- 「普通の靴下は楽に履けました」という術後の人の声
- 「長さもあり、腰を屈めなくて済む」という評価
- 「靴を履くのがとても楽になりました」という声
気になるという声
- 「弾性ソックスは難しい」という限界の指摘
- 「手先が思うように動かず、靴下をまっすぐ被せるのに苦労する」という声
- 「踵が横にずれてしまうこともあります」という声
- 短い靴べらでは意味がない、という当然の指摘
ここから言えること
この2つの商品は、低評価がとても少ないです。ソックスエイドは183件中1件、靴べらは495件中14件。
ただ、少ない不満の中身が大事です。「着圧ソックスには使えない」と「手先の細かい動きは要る」。どちらも、買う前に知っておけば失望せずに済みます。
とくに、着圧ソックスをはくために買おうとしている場合は、期待しないでください。その場合は、着圧ソックス専用の補助具を探すか、人に手伝ってもらうほうが早いです。
かがめないことについて、よくある質問
体が硬いだけですか。ストレッチで柔らかくなりますか
原因によります。そして、やってはいけない場合があります。
おなかがつかえているなら、姿勢を変えるほうが早いです。
関節そのものが曲がらないなら、ストレッチで広げようとしないでください。とくに、股関節や膝の手術を受けたことがある人は、曲げてはいけない角度があります。何をしていいかは、主治医か理学療法士に聞いてください。
足の爪も切りにくいです
同じ理由です。そして、こちらのほうが危ないです。
見えないまま爪を切ると、深く切りすぎます。深爪は、そこから炎症になることがあります。
とくに、糖尿病がある方は、足の爪や皮膚を自分で処理しないでください。皮膚科やフットケアで切ってもらえます。それだけの理由で受診していいです。
人に頼むのは、情けないですか
いいえ。ただ、毎回頼まなくてもよくなります。
1,000円の道具で、「頼む」が「自分でできる」に変わるなら、そのほうがいいです。
そして、頼めない場面のほうが問題です。一人のとき、急いでいるとき、旅行先。道具は、そのときのためにあります。
親に買ってあげたいのですが、使ってくれるでしょうか
置き場所を一緒に決めてください。
しまい込まれると、使われません。靴べらなら玄関に出しっぱなし、ソックスエイドなら着替える場所の手が届くところです。
そして、「かがめないから」と渡すと受け取りにくいことがあります。「朝が楽になるから」で渡すほうが、通りやすいです。
かがめないのは、体が硬いからですか?
柔軟性だけとは限りません。おなかがつかえる、股関節や膝が曲がる範囲まで曲がらない、片足立ちが不安定など、原因は分かれます。厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023の高齢者版では、筋力・バランス・柔軟性など多要素な運動を週3日以上行うことが推奨されていますが、あわせて身体機能が低下している場合は安全に配慮し、転倒等に注意することも示されています。無理にかがまず、道具で届く形を作るほうが安全です。
まとめ|かがめないまま、かがまないでください
- 股関節や腰の手術を受けたことがある人には、曲げてはいけない角度があります
- 玄関に椅子を置く。それだけで、片足立ちが要らなくなります
- 座って足を反対の膝に乗せると、深く折らずに届きます(足を組むなと言われている人は除く)
- ソックスエイドは、着圧の強い靴下には向きません。普通の靴下用です
足の爪が切りにくい場合、無理に切らないでください。
とくに糖尿病がある方は、皮膚科やフットケアで切ってもらってください。
身支度と足もとで、ほかに気になる場合
- 足の爪が厚い・色が濁る|見た目の問題ではないことがある
足の爪が厚い・色が濁る場合はこちらです - 椅子から立ち上がるのがきつい|足ではなく座面の高さかもしれない
椅子から立ち上がるのがきつい場合はこちらです - 外反母趾で靴が履けない|戻すのではなく、進ませない
外反母趾で靴が履けない場合はこちらです
