耳栓を買ったのに、思ったほど静かにならなかった。よくある話です。

ただ、その前提を1つ直しておきます。耳栓で音が完全に消えることはありません。減るだけです。

そして減らせる量は、耳栓の性能より、入れ方で大きく変わります。国が出している文書にも、そう書かれています。

先に|遮音値は、高ければいいわけではない

厚生労働省は「騒音障害防止のためのガイドライン」を2023年4月に改訂しています。職場で耳を守るための決まりですが、選び方の考え方はそのまま使えます。

そこにはまず、日本産業規格(JIS)T8161-1の試験方法で測定された遮音値を目安に選ぶと書かれています。

そして、そのすぐあとにこう続きます。安全確保のために周囲の音を聞く必要がある場合や会話の必要がある場合は、遮音値が必要以上に大きいものを選ばないよう配慮する、と。

※厚生労働省「騒音障害防止のためのガイドライン パンフレット」(2023年4月改訂/2026年8月31日 閲覧)

ここが、寝るときに使う人にいちばん関係します

遮音が強いほど良い、ではありません。目覚まし、インターホン、火災警報器、家族の声。聞こえないと困る音まで消えます

寝坊できない日や、小さい子どもがいる家では、あえて遮音の弱いものを選ぶほうが合っていることがあります。

効かない原因は、たいてい入れ方

同じガイドラインは、発泡タイプ(ウレタンフォーム)についてこう書いています。

特長は、安価であり、正しく着用すれば大きな遮音性能があること

注意点は、最大の遮音性能を得るには、着用の際にしわができないよう細く丸めるコツが要ること。

つまり「正しく着用すれば」が条件です。丸めが甘い、浅い、途中で膨らんでしまった。これで効きは大きく変わります。

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手順 やること
しわができないよう、できるだけ細く丸める
反対の手で耳の上を軽く引っぱり、穴をまっすぐにする
奥まで入れる。浅いとすき間が残る
そのまま指で押さえて、膨らみきるのを待つ
外すときはゆっくり。一気に引き抜かない

初日の感想で判断しないでください。レビューにも、練習して耳のわりと奥までしっかり入れるのがベスト、少し耳をひっぱると入りやすい、という声があります。入れ方に慣れるまで数日かかる道具です。

国が挙げている3つのタイプ

ガイドラインは、代表的なものを3つに分けています。特長と注意点も、そこに書かれているとおりです。

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タイプ 特長 注意点
発泡(ウレタンフォーム) 安価。正しく着用すれば大きな遮音性能 汚れを保持しやすい。着用にコツが要る
形成(形が決まっている) 洗って再利用でき、変形しない限り長期間使える 遮音性能は中程度
イヤーマフ(耳覆い) 脱着が簡単。耳栓と併用でより大きな遮音性能 ヘッドバンドがあり、ヘルメットと同時に使えない

寝るときに使うなら、イヤーマフは外れます。横になると耳の側が当たるので、横向きでは使えません。

残るのは発泡タイプと形成タイプの2つ。遮音を優先するなら発泡、繰り返し使うなら形成、という分かれ方になります。

寝るときに使うなら、ここに気をつける

ガイドラインは、発泡タイプの注意点として汚れを保持しやすいので、使い捨ての使用が衛生的だと書いています。

毎晩、耳の中に入れるものです。汚れたまま使い続けると、耳のトラブルのもとになります。

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こういうときは どうするか
耳がかゆい・痛い 使用をやめる。続くなら耳鼻咽喉科
耳だれが出る 自己判断せず耳鼻咽喉科
耳が詰まった感じが続く 耳鼻咽喉科(耳あかが奥へ入ることがある)
聞こえが悪くなった気がする 耳鼻咽喉科
耳栓が奥で取れなくなった 自分で取ろうとせず耳鼻咽喉科

火災警報器のことも一度考えてください

厚労省のガイドラインが「周囲の音を聞く必要がある場合は遮音値が大きいものを選ばない」と書いているのは、まさにこの理由です。

一人暮らしで遮音の強いものを毎晩使うなら、枕元に振動で知らせる目覚ましを置くなど、音以外の手段を1つ持っておくと安心です。

耳栓の口コミ|満足している点と気になる点

2つのタイプについて、実際の声を調べました(楽天のレビュー 計8,936件を確認)。

満足している点

  • 効きの実感|扇風機の音が遠くに聞こえる、テレビの音量が下がったように感じる、という声
  • 痛くなりにくい|長時間つけても耳が痛くならないという声が多数
  • 外れない|寝ている間に外れない、という声
  • 入れ方のコツ|奥までしっかり、少し耳を引っぱると入りやすい、という具体的な助言が複数

気になるという声

  • 完全には消えない|完全に遮音されるわけではない、という指摘
  • 装着感|違和感がある、という声
  • 自分の声|自分の声は聞こえる、という報告

星の内訳は、2つで差が出ています

発泡タイプは2,799件のうち星5が1,541件、星4が1,208件。星2以下は10件で、およそ0.4%です。

形成タイプは6,137件のうち星5が2,636件、星4が2,325件。ただし星3が899件、星2が261件あり、星3以下がおよそ19%。国が「形成タイプの遮音性能は中程度」と書いていることと、方向は合っています。

耳栓が向く人・向かない人

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どんな人か 理由
向いている 生活音や話し声で目が覚める 減らす道具として合う
向いている 入れ方を数日ためせる コツが要る道具なので
向いている 出張や旅行が多い 持ち運べて場所を選ばない
向かない 音を完全に消したい 耳栓では消えない。減るだけ
向かない 目覚ましを絶対に逃せない 遮音が強いほど聞こえにくくなる
向かない 耳に痛みやかゆみがある 耳鼻咽喉科で診てもらう段階

買うなら|遮音を取るか、繰り返し使うか

耳栓は千円前後です。選ぶ基準は値段ではなく、遮音を優先するか、繰り返し使うことを優先するかです。

国の分類でいえば、発泡タイプが遮音寄り、形成タイプが再利用寄りになります。

遮音を優先するなら|低反発フォーム

細く丸めて入れ、耳の中で膨らんですき間を埋めるタイプです。国が「正しく着用すれば大きな遮音性能がある」としているのがこの形です。

4個セットなので、片方をなくしても続けられます。ただし汚れをためやすいので、洗うか、傷んだら替えてください。

耳栓 睡眠 遮音 痛くない 防音

耳栓 睡眠 遮音 痛くない 防音

細く丸めて入れる低反発フォーム。遮音を優先する人に。

  • 細く丸めて奥まで入れ、膨らみきるまで押さえる
  • 4個セット。なくしても続けられる
  • 汚れをためやすい。傷んだら替える
価格 約1,280円
国の分類 発泡タイプ
特長 正しく着ければ遮音が大きい
楽天レビュー ★4.53(2,799件)

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繰り返し使うなら|形が決まっているシリコン

洗って何度も使えます。丸める手間がなく、入れるだけなので毎晩の負担が小さい形です。

ただし国はこのタイプについて「遮音性能は中程度」と書いています。強い遮音を期待して買うと、評価が割れるのはこのためです。

新感覚 耳栓 睡眠 睡眠用 完全遮音 防音

新感覚 耳栓 睡眠 睡眠用 完全遮音 防音

洗って繰り返し使える形成タイプ。手間が少ない。

  • 丸める手間がなく、入れるだけ
  • 洗って再利用できる。変形しない限り長く使える
  • 国の分類では遮音性能は中程度とされている
価格 約1,590円
国の分類 形成タイプ
注意 遮音は中程度
楽天レビュー ★4.19(6,137件)

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衛生を優先するなら|個別包装の使い捨て

ガイドラインは、発泡タイプについて汚れを保持しやすいので使い捨てが衛生的だと書いています。それに素直に従うならこれです。

個別包装で、遮音値はNRR33と明記されています。数値が公表されている点は、選ぶときの手がかりになります

耳栓 MOLDEX モルデックス 7ペア ケース付 カモプラグ

耳栓 MOLDEX モルデックス 7ペア ケース付 カモプラグ

個別包装の使い捨て。遮音値NRR33が明記されている。

  • 1ペアずつ個別包装。毎回きれいなものを使える
  • 遮音値がNRR33と公表されている
  • 使い捨てなので、続けるなら買い足しが要る
価格 約799円
7ペア+ケース
遮音値 NRR33(メーカー表示)
楽天レビュー ★4.5(884件)

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3つを比較|何を優先するか

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価格 国の分類 繰り返し 向く人
低反発フォーム 約1,280円 発泡タイプ 洗って数回 遮音を優先
シリコン 約1,590円 形成タイプ できる 手間を減らしたい
使い捨てフォーム 約799円 発泡タイプ しない 衛生を優先

耳栓について、よくある質問

耳栓をすれば、音は完全に消えますか?

消えません。減るだけです。レビューにも、完全に遮音されるわけではない、自分の声は聞こえる、という声があります。「完全遮音」という言葉が商品名に入っていることがありますが、実際に何dB減るかは、製品と入れ方の両方で決まります。

遮音値は高いほうがいいですか?

そうとは限りません。厚生労働省のガイドラインは、安全確保のために周囲の音を聞く必要がある場合や会話の必要がある場合は、遮音値が必要以上に大きいものを選ばないよう配慮する、としています。目覚ましや警報が聞こえないと困る場面では、弱いほうが合うこともあります。

入れても効いている気がしません

入れ方を見直してください。ガイドラインは、最大の遮音性能を得るにはしわができないようできるだけ細く丸めるなどコツが要ると書いています。反対の手で耳の上を引っぱって穴をまっすぐにし、奥まで入れて、膨らみきるまで押さえてください。

毎晩使っても大丈夫ですか?

清潔に保てるなら使えますが、ガイドラインは発泡タイプについて汚れを保持しやすいので使い捨てが衛生的だと書いています。洗えるものは洗い、傷んだら替えてください。かゆみや痛み、耳だれが出たら使用をやめて耳鼻咽喉科で相談してください。

目覚ましが聞こえないのが不安です

音以外の手段を1つ用意してください。振動で知らせる目覚ましを枕元に置く、腕につけるタイプを使う、といった方法があります。そのうえで、遮音の弱いタイプを選ぶという手もあります。

まとめ|性能より、入れ方と選ぶ基準

耳栓は音を消す道具ではなく、減らす道具です。そして減らせる量は、入れ方でかなり変わります

  • 細く丸めて、耳を引っぱり、奥まで入れて、膨らみきるまで押さえる
  • 遮音は高いほど良いわけではない。国も「必要以上に大きいものを選ぶな」としている
  • 発泡タイプは遮音寄りだが汚れをためやすい。形成タイプは再利用できるが遮音は中程度

初日の感想で決めず、数日ためしてから判断してください。

眠りと音のことで、ほかに気になっていること