「老後2,000万円」という言葉だけが頭に残っていて、自分に本当にいくら足りないのかは分からない。調べようとすると難しい話ばかりで、結局そのままになっている——。
老後のお金の不安は、金額が大きいから怖いのではありません。いくら必要でいくら入るのかが、数字になっていないから怖いのです。正体が分かれば、不安のかなりの部分は消えます。
この記事では、不安の元になっている4つの「分からない」を切り分けたうえで、まずお金をかけずにできることと、整理に使える道具を紹介します。
老後のお金が不安なのはなぜ?正体は4つの分からない
不安の中身を分けると、だいたい次の4つです。どれも調べれば数字にできます。
① いくら必要なのかを計算したことがない
必要額は世帯によってまったく違います。持ち家か賃貸か、夫婦か一人かで数百万円単位で変わるからです。他人の平均額を見ても不安が消えないのは当然で、自分の生活費から出さない限り意味がありません。
② 年金がいくら入るのか知らない
受給の見込み額は、毎年届くねんきん定期便や、日本年金機構のねんきんネットで確認できます。入る額が分からないまま「足りない」と思い込んでいる人が、とても多い部分です。
③ 資産がどこにいくらあるか把握していない
使っていない口座、昔入った保険、勤務先の企業年金。散らばったまま合計を出していないと、実際より少なく感じます。把握していない資産は、無いのと同じ扱いになってしまいます。
④ 制度を知らないまま焦りだけがある
高額療養費制度のように、既にある公的な仕組みで支えられる部分もあります。知らないことがそのまま不安の量になっているので、まず知ることが対策になります。
この記事は制度の調べ方と整理の方法を紹介するもので、特定の金融商品をすすめるものではありません。実際の資産運用や保険の判断は、金融機関やファイナンシャルプランナーなど専門家に相談してください。
老後のお金の不安を減らす|お金をかけずにできること
道具を買う前に、数字を出す作業があります。この4つで不安の輪郭がはっきりします。
- ねんきん定期便で受給見込み額を確認する:毎年誕生月に届きます。ねんきんネットに登録すれば、いつでも見られます
- 今の生活費を1か月分だけ書き出す:老後の生活費は、今の暮らしから大きくは離れません。ここが必要額の土台になります
- 生活費と年金見込み額の差を出す:この差額×想定年数が、自分にとっての必要額です。他人の平均より、この数字がすべてです
- 口座・保険・証券を1枚に書き出す:合計を出すと「思ったよりある」ことが分かる家も多いです
- 勤務先の退職金と企業年金の有無を確認する:就業規則や人事に聞けば分かります。ここを入れ忘れている人が少なくありません
数字が出たら、次は散らばった情報を1か所にまとめて、制度を正しく知る段階です。
【比較】老後のお金の整理に使えるグッズおすすめ4選
ここからは目的ごとに、整理に使える物を紹介します。すべてを買う必要はありません。今の自分に足りていない部分だけ選んでください。
下の順番は「値段の安さ×効果が出る速さ」で並べています。迷ったら上から検討してください。
資産の全体像が見えていない人におすすめ|エンディングノート
終活の道具に見えますが、実際は資産の棚卸しを書く欄がそろった1冊です。口座・保険・年金・契約を書き込むだけで、散らばっていた情報が1か所にまとまります。
家族に何かあったときに探せる、という副産物もあります。
コクヨ エンディングノート B5 もしもの時に役立つノート 終活 備忘録
コクヨのエンディングノート。資産や契約の記入欄がそろっています。
- 口座・保険・年金を1冊に書き出せる
- 書く項目が決まっているので何を調べるか迷わない
- 家族が把握できる形で残せる
| 価格 | 約1,228円 |
|---|---|
| 効果が出るまで | 書いた日から |
| こんな人に | 資産がどこにいくらあるか分からない人 |
| 楽天レビュー | ★4.52(1,347件) |
通帳や証券が散らばっている人におすすめ|通帳ケース
通帳・カード・保険証券をまとめて保管できるケースです。置き場所が1つになると、年に1回の見直しが続くようになります。探す手間で先延ばしにするのを防げます。
通帳ケース 特有のセット保管方法 カードケース レディース メンズ カード収
通帳とカードをまとめて保管できるケースです。
- 通帳と保険証券の置き場所を1か所にできる
- 年1回の棚卸しが探す手間なしで続く
- 家族にも保管場所を伝えやすい
| 価格 | 約1,500円 |
|---|---|
| 効果が出るまで | その日から |
| こんな人に | 通帳や証券があちこちにある家 |
| 楽天レビュー | ★4.49(1,470件) |
制度をゼロから知りたい人におすすめ|非課税制度の入門書
少額投資非課税制度(つみたてNISA)などの仕組みを、基礎から説明した入門書です。やるかどうかを決める前に、まず制度の中身を知るための1冊として使えます。
税金がタダになる、おトクな つみたてNISA 一般NISA 活用入門
非課税制度の仕組みを基礎から説明した入門書です。
- 制度の中身を基礎から順に理解できる
- 判断する前に用語と仕組みが分かる
- 金融機関に相談するときの前提知識になる
| 価格 | 約1,540円 |
|---|---|
| 効果が出るまで | 読んだ日から |
| こんな人に | 制度の名前しか知らない状態の人 |
| 楽天レビュー | ★4.5(10件) |
受給後の暮らしを具体的に知りたい人におすすめ|年金暮らしの実務書
年金を受け取り始めてからの手続きや、税・保険料の扱いをまとめた本です。受け取る額だけでなく、そこから引かれるものまで分かると、必要額の精度が上がります。
年金暮らしでも生活が楽になる 税理士社労士が教える 賢いお金の使い方Q&A大
税理士と社労士による年金暮らしのお金の使い方の解説書です。
- 受給開始後の手続きと税の扱いが分かる
- 手取りベースで必要額を考えられるようになる
- 親世代の相談に乗るときの材料にもなる
| 価格 | 約1,848円 |
|---|---|
| 効果が出るまで | 読んだ日から |
| こんな人に | 定年が視野に入っている人 |
| 楽天レビュー | ★4.2(5件) |
エンディングノートの口コミ|老後のお金の棚卸しで挫折しない書き方
使っている人の声を調べました(楽天のレビュー 計2,822件を確認)。
満足している点
- エンディングノート=「葬儀社の人が、生前相談に来た人へ渡している」という声
- エンディングノート=「終活用と思わず、急に入院した時のために書くもの」という読み方
- エンディングノート=「親と自分の分をまとめて買うと、重い雰囲気にならない」という工夫
- 通帳ケース=「7年使って、革は傷まなかった」という報告
気になるという声
- 通帳ケース=低評価が51件=3.5%。中身のフォルダが先に破けるという声
- 通帳ケース=「革のにおいが気になる」「色が写真より濃い黄土色だった」という指摘
- エンディングノート=「まだ書いていない」という声が、上のほうに並びます
- 本は、制度の数字が改正で古くなります
ここから言えること
エンディングノートのいちばんの失敗は、内容ではありません。買って満足して、書かないことです。レビューでも「評判がいいので期待しています」で止まっている声が目立ちました。最初に埋めるのは1ページでかまいません。
そして、通帳とカードを1冊にまとめる時の注意点です。まとめるほど、なくした時に全部いっぺんに失います。暗証番号は書かない。置き場所は家族1人にだけ伝えておく。この2つを守れないなら、まとめないほうが安全です。
老後のお金の整理グッズ4つを比較|目的と価格の早見表
どれから手をつけるか迷ったときの目安です。
→ 表は横にスクロールできます
| 目的 | 使う物 | 価格の目安 | 効果が出るまで | こんな人に |
|---|---|---|---|---|
| 資産の棚卸し | エンディングノート | 約1,228円 | 書いた日から | 全体像が見えない |
| 保管の一元化 | 通帳ケース | 約1,500円 | その日から | 通帳が散らばる |
| 制度を知る | 非課税制度の入門書 | 約1,540円 | 読んだ日から | 名前しか知らない |
| 受給後を知る | 年金暮らしの実務書 | 約1,848円 | 読んだ日から | 定年が近い |
順番は「今ある物を数える→入る額を知る→制度を学ぶ」です。手持ちを数える前に投資の本から読むと、判断の土台がないまま迷うことになります。まずエンディングノート1冊で棚卸しから始めてください。
老後のお金について、よくある質問
老後2,000万円は本当に必要ですか?
ある試算の一例が独り歩きした数字で、すべての世帯に当てはまるものではありません。持ち家か賃貸か、夫婦か一人かで必要額は大きく変わります。自分の生活費と年金見込み額の差から計算してください。
貯金と投資はどちらを優先すべきですか?
一般には、まず生活費の数か月分を現金で確保してから、と言われます。ただし何をどれだけ持つべきかは家庭ごとに違うので、この記事で断定はできません。金融機関やファイナンシャルプランナーに、自分の数字を持って相談してください。
年金の見込み額はどこで分かりますか?
毎年誕生月に届くねんきん定期便と、日本年金機構のねんきんネットで確認できます。ねんきんネットなら、受け取り開始の年齢を変えたときの試算もできます。
親のお金の話をどう切り出せばいいですか?
正面から資産を聞くと構えられます。エンディングノートを渡して「もしものときに困るから」と伝える形が、いちばん角が立ちません。入院や施設の連絡先の話から入るのも自然です。
まとめ|不安は数字にすると小さくなる
老後のお金の不安は、金額の大きさではなく分からないことの多さから来ています。
- ねんきん定期便で入る額を確認する
- 今の生活費との差額を出して、自分の必要額を数字にする
- 口座・保険・退職金を1か所に書き出して合計を知る
まず1,200円台のエンディングノートで棚卸しから。数えてみると、思っていたより持っていることも珍しくありません。運用や保険の判断は、その数字を持って専門家に相談してください。
今の支出から見直す
将来の額を出したら、次は今の固定費です。
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将来の額を出したら、次は毎月の支出です。
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