一人になった。子どもは独立した。家に帰っても、話す相手がいない。
でも「この歳で」と思うと、そこで止まってしまう。

先に、いちばん大事なことを書きます。
この年代の出会いは、若い人と条件がひとつ違います。

お金の制度が絡みます。
とくに、遺族厚生年金を受け取っている場合、
「入籍しなければ大丈夫」は成り立ちません。

この記事では、探し始める前に確かめることと、
場所の選び方、そして年代を狙う詐欺への備えを書きます。

先に、いちばん見落とされることを書きます。

厚生年金保険法には、遺族厚生年金の受給権が消滅する場合としてこう書かれています。

「二 婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)をしたとき。」

入籍していなくても、事実上そういう関係だと判断されれば同じ扱いになる、と法律に書いてあるということです。

この記事では、あなたの場合どうなるかは判断できません。年金を受け取っている方は、一緒に暮らすことを考え始めた時点で、年金事務所に確認してください。あとから分かると、返すことになります。

※e-Gov法令検索「厚生年金保険法」(昭和29年法律第115号)遺族厚生年金の失権に関する規定(2026年8月27日 閲覧)

50代からの婚活で最初にやること|何を求めているかを4つに分ける

ここが混ざったまま探すから、うまくいきません。

「出会いがほしい」の中身は、人によってまったく違います。
そして、中身が違えば、行く場所も変わります。

→ 表は横にスクロールできます

求めているもの どういう状態か 向いている場所
一緒に暮らす相手 再婚を考えている 結婚相談所・婚活サービス
出かける相手 結婚は考えていない この年代向けのマッチング
話し相手 会わなくてもいい 地域の集まり・趣味の場
趣味の仲間 恋愛は求めていない 公民館・サークル・スポーツの場
介護や老後を一緒に考える相手 不安のほうが先にある 地域包括支援センター

3行目を、軽く見ないでください。

「話し相手がいない」は、恋愛で解決しようとすると、うまくいかないことがあります。相手にとっては重すぎるからです。

そして、この状態のときは、詐欺に狙われやすくなります。「毎日連絡をくれる人」が現れたときに、疑いにくくなるからです。

下の詐欺の章を、必ず読んでください。

50代・60代の婚活だけに関わる4つのこと|年金・子ども・介護・相続

① 年金|再婚で遺族厚生年金が止まることがある

上の囲みに書いたとおりです。

遺族厚生年金を受け取っている方が、
再婚したり、事実上そういう関係になったりすると、
受給権が消滅すると法律に書かれています。

そして、そこには「届出をしていないが、
事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む」と明記されています。
「籍を入れなければ大丈夫」ではありません。

ただし、あなたの場合どうなるかは、
受け取っている年金の種類や状況で変わります。
年金事務所で、自分の場合を確認してください。

② 子どもの反応|反対の理由はたいてい相続

子どもが成人していても、反対されることがあります。
理由は、たいてい相続と、亡くなった親のことです。

だから、隠して進めると、こじれます。
「反対されるから言わない」でいると、
知られたときに、話が相続の話になります。

③ 介護|どちらかが先に必要になる可能性を含む

この年代で一緒になるということは、
どちらかが先に介護が必要になる可能性を含みます。

ここを話し合わないまま一緒になると、
「そんなつもりではなかった」が起きます。
重い話ですが、先に話しておくほうが、あとが楽です。

④ 相続|再婚を決める前に専門家に相談する

ここは、この記事では扱いません。
一人ひとり事情が違い、間違えると取り返しがつかないからです。

再婚を具体的に考える段階になったら、
弁護士か司法書士に相談してください。
費用が心配なら、法テラスで相談先を案内してもらえます。

シニアの婚活を狙う詐欺への備え|6つの流れで立ち止まる

やさしくない話ですが、いちばん書いておきたいところです。

「話し相手がほしい」状態のときは、
毎日連絡をくれる相手を、疑いにくくなります。
それを分かったうえで近づいてくる人がいます。

→ 表は横にスクロールできます

こういう流れになったら 何が起きているか やること
会う前から毎日長い連絡 相手がまだ分からない段階 会うまで判断しない
会えない理由が毎回ある 会う気がない可能性 期限を決める
投資・仮想通貨の話が出る 恋愛の話ではない そこで止まる
お金を貸してほしいと言う 理由が何であれ同じ 送金しない
家族に言わないでと言う 相談させないため その場で家族に話す
会う前に結婚の話が出る 判断する材料がない いったん離れる

お金の話が出たら、その時点で家族か窓口に相談してください。

消費者庁は「困ったときは、一人で悩まずに、『消費者ホットライン』188にご相談ください」と案内しています。近くの消費生活センターにつないでもらえます。

相談は無料です(通話料はかかります)。

そして、いちばん大事なこと。だまされかけたことを、恥ずかしいと思わないでください。相談が遅れるほど、戻せる可能性が減ります。

※消費者庁「消費者ホットライン」(2026年8月27日 閲覧)

50代からの婚活|お金をかけずにできること

  • 年金事務所に確認する:年金を受け取っているなら、これが最初です。
    「再婚した場合、事実婚の場合、私の年金はどうなりますか」と聞いてください
  • 求めているものを、紙に1行で書く:「一緒に暮らしたい」なのか
    「出かける相手がほしい」なのか。ここが決まると、行く場所が決まります
  • 子どもに、先に話しておく:賛成してもらうためではなく、
    あとで相続の話にしないためです
  • 地域の集まりを1つ見に行く:公民館・図書館・自治体の広報に載っています。
    無料のものが多く、断りやすい距離です
  • お金の話が出たら止まる、と先に決めておく:そのときに決めるのではなく、
    今のうちに決めておいてください。判断が要らなくなります

とくに1つ目です。
順番を間違えると、あとから返すことになります。

50代・60代の婚活について、よくある質問

籍を入れなければ、年金は減りませんよね

そうとは限りません。

厚生年金保険法には、遺族厚生年金の受給権が消滅する場合として「婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)をしたとき」と書かれています。

つまり、入籍していなくても、事実上そういう関係だと判断されれば同じ扱いになり得ます。

ここは自分で判断しないでください。一緒に暮らすことを考え始めた時点で、年金事務所に聞いてください。あとから分かると、さかのぼって返すことになります。

この歳で相手が見つかるものですか

同年代の人が、同じことを考えています。

50代以上に絞ったサービスもあります。年齢で絞られている場所のほうが、「この歳で」と思わずに済みます。

確かめ方があります。無料相談のときに「私の年代と条件で、何人いますか」と聞いてください。数字で答えてもらえます。そこで期待とのずれが分かります。

子どもに反対されています

反対の理由を聞いてください。たいてい2つです。

1つは相続です。これは、お金の話なので、専門家を入れて整理すれば減らせます。

もう1つは、亡くなった親のことです。こちらは説得の問題ではありません。時間が要ります。

どちらにしても、隠して進めるのはやめてください。知られたときに、話がこじれます。

相手からお金の相談をされました

送金しないでください。そして、今日中に相談してください。

理由が何であれ、会ったことのない相手にお金を送るのは止めてください。「立て替えるだけ」「あとで返す」も同じです。

相談先は、消費者ホットライン188です。近くの消費生活センターにつないでもらえます。

すでに送ってしまった場合も、すぐ相談してください。早いほど、できることが残っています。

まとめ|50代からの婚活は年金事務所が先

  • 遺族厚生年金には「事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む」と法律に書かれています
  • 「籍を入れなければ大丈夫」ではありません。年金事務所で自分の場合を確認してください
  • 求めているのが「暮らす相手」か「出かける相手」か「話し相手」かを、先に分けてください
  • お金の話が出たら止まる、と今のうちに決めておいてください

だまされかけたことを、恥ずかしいと思わないでください。
相談が遅れるほど、戻せる可能性が減ります。消費者ホットラインは188です。

これからのことで、ほかに気になる場合