そろそろ整理しないと、とは思っている。でも、何から手をつければいいのか分からない。
考えると気が重くなって、そのままになっている。

先に、いちばん大事なことを書きます。
物を捨てることから始めないでください。

残された家族がいちばん困るのは、物が多いことではありません。
「どこに何があるか分からない」ことです。

この記事では、最初の一歩と、何をどこに聞けばいいかを書きます。
相続や税金の中身は書きません。専門家に聞くことだからです。

この記事は、手をつける順番の話です。相続・遺言・税金・保険の中身については書きません。制度が変わりますし、一人ひとり事情が違って、間違えると取り返しがつかないからです。

そして、先に1つだけ。エンディングノートに、口座の暗証番号やカードの番号を書かないでください。ノートは、金庫ではありません。置き場所を家族に伝えるものなので、見つかりやすい場所に置くことになります。

なぜ、手が止まるのか

① 範囲が広すぎて、どこからか分からない

お金、家、保険、お墓、医療、介護、物、写真、パソコンの中身。
全部が「終活」に入るので、始める場所が決まりません。

だから、この記事では順番をつけます。
やる順番が決まれば、今日やることは1つになります。

② 「死ぬ準備」だと思うと、気が重い

ここは、考え方を変えると軽くなります。

最初にやることは、入院したときにも役に立ちます。
保険証券がどこにあるか、契約している電気やガスの会社はどこか。
これは、急に入院しただけでも家族が困ることです。

つまり、死ぬ準備ではなく「自分が動けない日の準備」です。
そう考えると、80歳の話ではなく、今日の話になります。

③ 物の整理から始めて、思い出で止まる

いちばんよくある止まり方です。

押入れを開けて、アルバムが出てきて、見始めて、その日が終わる。
そして、次の日から開けなくなります。

物の整理は、いちばん最後でいいです。
時間もかかるし、気持ちも要ります。
そして、いちばん急がないです。

④ 家族に切り出しにくい

「縁起でもない」と言われそうで、言い出せない。
逆に、家族の側も「お金目当てだと思われそう」で言い出せない。

この場合も、②の言い方が効きます。
「入院したときに困らないように」なら、話が始まります。

順番|第1段階から始める

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段階 やること かかる時間 なぜこの順番か
第1 大事な物のありかを、1枚の紙に書く 30分 家族がいちばん困ることが、これで解決する
第2 契約しているものを書き出す 1時間 止める手続きが要るものが分かる
第3 医療と介護の希望を書く 数日かけて 言えなくなってからでは、伝えられない
第4 物を整理する 何か月も いちばん時間がかかる。急がない
第5 遺言書(必要な場合) 専門家と 形式を間違えると無効になる。自分でやらない

第1段階が、この記事でいちばん言いたいことです。

紙1枚に、次のものが「どこにあるか」だけ書いてください。中身は書かなくていいです。

通帳と印鑑/保険証券/年金手帳/不動産の権利書/健康保険証/かかりつけの病院と、飲んでいる薬/緊急のときに連絡してほしい人

これだけで、30分です。そして、これができていれば、急な入院でも家族が動けます。

繰り返しますが、暗証番号は書かないでください。「どこにあるか」までで十分です。

エンディングノートと遺言書は、別のもの

ここを混同すると、いちばん困ることになります。

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エンディングノート 遺言書
法的な効力 ありません あります
書き方 自由。何を書いてもよい 形式が決まっている。外れると無効
書き直し いつでも 決まった手続きで
向いていること 希望・思い・連絡先・ありかを伝える 財産を誰にどう渡すかを決める
誰と作るか 一人で書ける 専門家と(公証役場・弁護士・司法書士)

「エンディングノートに書いたから大丈夫」は、成り立ちません。

財産を誰にどう渡すかを決めたいなら、それは遺言書の役目です。ノートに書いても、そのとおりにする義務は生まれません。

逆に、遺言書には書けないこともあります。「延命はどうしたいか」「葬儀はどうしてほしいか」「この写真は誰に」といったことです。そこは、ノートのほうが向いています。

両方いる場合があります。そして、遺言書のほうは自分で作らないでください。形式を1つ間違えるだけで、無効になります。

何を、どこに聞けばいいか

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聞きたいこと 聞く先
遺言書の作り方・相続のこと 公証役場/弁護士・司法書士/法テラス
年金の手続き 年金事務所
入っている保険の内容 契約している保険会社(証券に番号があります)
お墓・お寺のこと お世話になっているお寺/霊園の管理事務所
介護のこと・施設のこと 地域包括支援センター
医療の希望の伝え方 かかりつけの医師
どこに聞けばいいか分からない 市区町村の総合窓口(そこから案内してもらえます)

「法テラス」だけ、少し説明しておきます。

法律のことで、どこに相談すればいいか分からないときの案内をしてくれる国の窓口です。条件によっては、費用の負担を減らせる制度もあります。

費用や条件は変わるので、ここには書きません。まず電話で、「相続のことを相談したいのですが、どこへ行けばいいですか」と聞いてみてください。

【比較】最初の一歩に使うもの2選

書くものと、まとめるものです。
どちらも1,500円ほどです。

何から書くか分からない人におすすめ|エンディングノート

コクヨ エンディングノート B5 もしもの時に役立つノート 終活 備忘録

コクヨ エンディングノート B5 もしもの時に役立つノート 終活 備忘録

書く項目があらかじめ並んでいるノートです。埋めていくだけで進みます。

  • 白紙のノートと違って、何を書けばいいかが決まっているので手が止まりません
  • 全部埋めなくていいです。書けるところから、飛ばしながらで構いません
  • 暗証番号やカードの番号は書かないでください。ありかまでにしてください
価格 約1,364円
何をするか 書く項目を、決めてくれる
向いている人 何から始めるか分からない人・入院に備えたい人
楽天レビュー ★4.52(1,347件)

楽天で見る

レビューに、いい視点がありました。

「終活だけでなく、日常のトラブルにも使えるんですね。いろいろなことが書けるから、いざという時に役に立ちそうです」。

これは、この記事の②で書いたことと同じです。死ぬ準備ではなく、「自分が動けない日の準備」です。

「分かりやすく、資産管理に最適です」「リピーターです」という声もありました。書き直しながら使っている人がいるということです。

1回で完成させようとしないでください。書けるところから書いて、年に1回見直す。それでいいです。

書類が散らばっている人におすすめ|仕切りの多い書類ファイル

ドキュメントファイル A4対応 書類ケース 13 25ポケット領収書ファイル

ドキュメントファイル A4対応 書類ケース 13 25ポケット領収書ファイル

項目ごとに分けて入れられる、蛇腹式のファイルです。

  • 「どこにあるか」を解決するのが、この道具です
  • ポケットに名前を書けるものを選んでください。分けても、どこか分からなければ同じです
  • 自立するものだと、棚に立てておけます
価格 約1,480円
何をするか 書類を1か所に、分けて集める
向いている人 保険証券や年金の書類が、家のあちこちにある人
楽天レビュー ★4.62(241件)

楽天で見る

レビューで評価されていたのは、分けられることでした。

「ポケットがたくさんあり、色分け、シールまで入っていたので、どこに何を閉まってあるか、よくわかる構造だったので、大変満足しております」「アコーディオンのように広がり、自立します」。

ここで大事なのは「ラベルが書けるか」です。ポケットが多くても、どこに何が入っているか分からなければ、家のあちこちに散らばっているのと変わりません。

「確定申告の書類を整理するのにピッタリ」という声もありました。終活用として買わなくても、今すぐ役に立つ道具です。

2つを比較|価格と役割の早見表

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もの 価格の目安 何をするか いつ役に立つか 注意
エンディングノート 約1,364円 書く項目を決めてくれる 入院したとき・もしものとき 暗証番号を書かない/法的効力はない
書類ファイル 約1,480円 書類を1か所に集める 今日から ラベルが書けるものを選ぶ

まず1つなら、書類ファイルです。

第1段階が「ありかを書く」なので、そもそも1か所に集まっていれば、書くことが1行で済むからです。

「大事な書類は、リビングの棚のファイルに全部入っています」。これが書ければ、第1段階は終わりです。

そのあと、医療や介護の希望を書きたくなったら、ノートを足してください。

終活グッズの口コミ|続いた場合と止まった場合

使っている人の声を調べました(楽天のレビュー 1,588件を確認)。

満足している点

  • 「終活だけでなく、日常のトラブルにも使える」という視点
  • 「分かりやすく、資産管理に最適です」という評価
  • 「どこに何を閉まってあるか、よくわかる構造」というファイルの声
  • 「アコーディオンのように広がり、自立します」という声

気になるという声

  • 「まだ使用してないですが…評判なので期待してます」という声(買って止まる人)
  • ノートは全部埋めようとすると重い、という声
  • ファイルはポケット数が多すぎても迷う、という声
  • 「値段のわりに」という声もある

ここから言えること

いちばん気になったのが「まだ使用してないですが」という声です。

買っただけで止まるのが、この分野のいちばん多い失敗です。買った日に、1ページだけ書いてください。おすすめは「緊急のときの連絡先」です。これなら、考え込まずに書けます。

そして、全部埋めようとしないでください。1,347件のレビューがあるノートですが、完成させた人ばかりではないはずです。書けるところだけで、意味があります。

終活について、よくある質問

エンディングノートに書けば、そのとおりにしてもらえますか

財産の分け方については、そうなりません。

エンディングノートに法的な効力はありません。「そのとおりにする義務」は生まれません。

財産を誰にどう渡すかを決めたいなら、遺言書です。そして、遺言書は形式を間違えると無効になるので、自分で作らずに、公証役場や弁護士・司法書士に相談してください。

逆に、医療や葬儀の希望、思いを伝えることは、ノートのほうが向いています。

暗証番号は書いておいたほうが便利では

書かないでください。

ノートは、家族に見つけてもらうためのものです。つまり、見つかりやすい場所に置くことになります。そこに暗証番号があると、見つけてほしくない人にも見つかります。

書くのは「どこにあるか」までです。「◯◯銀行の通帳は、寝室のたんすの一番上」。これで、家族は動けます。

何歳から始めるものですか

年齢では決まりません。

この記事の第1段階は、「急に入院したときの備え」でもあります。入院は、年齢に関係なく起きます。

だから、30分でできる第1段階だけは、何歳でもやっておく価値があります。物の整理(第4段階)は、時間ができてからで構いません。

親と、この話をしたいのですが切り出せません

「終活」という言葉を使わないでください。

「もしお父さんが入院したとき、保険証券がどこにあるか分からなくて困るから、場所だけ教えておいて」。これなら、財産の話にも、死の話にもなりません。

そして、自分の分を先に作って見せるのが、いちばん通りやすいです。「自分も書いたから、お父さんも」なら、一方的に迫る形になりません。

まとめ|家族が困るのは、物の多さではない

  • 最初にやるのは、大事な物のありかを紙1枚に書くことです。30分で終わります
  • 物の整理は、いちばん最後でいいです。時間がかかって、いちばん急ぎません
  • エンディングノートに法的効力はありません。財産の話は遺言書と専門家です
  • 暗証番号を書かないでください。書くのは「どこにあるか」までです

これは死ぬ準備ではなく、自分が動けない日の準備です。
そう考えると、80歳の話ではなく、今日の話になります。

暮らしの整理と、これからのことで、ほかに気になる場合