スマホを伏せて置くようになった。帰りが遅い日が増えた。
問いただす勇気もないまま、頭から離れない。

先に、いちばん大事なことを書きます。
自分で証拠を集めようとしないでください。

相手に知られずに位置情報を取る行為は、
ストーカー規制法の規制対象に加わりました。
確かめようとした側が、法に触れる側になることがあります。

この記事では、やってはいけないことと、
今日から記録として残せること、相談先を書きます。

先に、いちばん危ない行動を書きます。

警察庁は、ストーカー規制法の改正について「規制対象行為に『紛失防止タグを用いて位置情報を取得する行為』などが加わってさらに厳しくなりました」と公表しています。

改正のきっかけとして挙げられているのは、「元交際相手等の自動車等に紛失防止タグをひそかに取り付け、その位置情報を取得する事案」です。

つまり、「浮気を確かめるために、相手の車や持ち物にタグを付ける」は、いま国が規制を強めている、まさにその行為です。

この記事は法律の解説ではありません。個別の判断は状況で変わります。行動する前に、弁護士か警察の相談窓口に相談してください。

※警察庁「ストーカー被害防止のためのポータルサイト」/警察庁「ストーカー・DV等対策」(改正法は令和7年12月10日公布)(いずれも2026年8月27日 閲覧)

浮気を自分で確かめると何が起きる?考えられる4つのこと

① 浮気を確かめようとした側が、規制される側になる

これが、いちばん重いです。

「浮気されているほうが被害者なのだから、何をしても許される」
とは、なりません。

相手に知られずに位置情報を取る行為は、規制対象に加わりました。
相手のスマートフォンのロックを解除して中を見る、
相手のアカウントに勝手にログインする、といった行為も、
別の法律に触れる可能性があります。

ここは、状況によって判断が変わるところです。
だから、やる前に相談してください。やったあとでは戻せません。

② 自分で集めた浮気の証拠は、使えないことがある

違法な方法で手に入れたものは、
話し合いでも手続きでも、使いにくくなります。

そして、相手側から「勝手に見た」ことを持ち出されると、
話の中心がそちらに移ります。

③ 浮気の話が「勝手に見た話」にすり替わる

実際に、いちばん多く起きるのがこれです。

「スマホを見た」ことが分かった瞬間、相手は責める側に回ります。
本題だったはずのことが、うやむやになります。

④ 浮気を確かめても、不安が消えないことがある

「何もなかった」と分かっても、次の日にはまた気になる。
この形になっている場合、確かめる回数を増やしても終わりません。

そのときは、浮気があるかどうかとは別に、
自分の不安のほうを扱う必要があります。
下の相談先の表に、その窓口も入れています。

先に、これだけ決めておいてください。

「確かめて、どうしたいのか」です。

別れたいのか。続けたいのか。慰謝料を請求したいのか。ただ知りたいだけなのか。

ここが決まっていないと、確かめたあとに動けません。そして、決まっていれば、「そもそも確かめる必要があるのか」も見えてきます。

浮気の証拠集めでやってはいけない6つの行動

→ 表は横にスクロールできます

やりたくなること 何が問題か 代わりにできること
紛失防止タグ・GPSを付ける 規制対象行為に加わった やらない。弁護士に相談
スマホのロックを解除して見る 別の法律に触れる可能性 自分が見た事実だけ記録
相手のアカウントに入る 同意なく入るのは別の話 やらない
かばんや部屋を勝手に探す 見つかると話がずれる やらない
職場や家の前で待つ つきまとい扱いになりうる やらない
相手の友人に問い合わせる 広がった話は戻せない 専門の窓口へ

「相手が悪いのだから」は、通りません。

浮気の有無と、確かめる方法が適法かどうかは、別の問題として扱われます。

そして、上の表のどれも、状況によって判断が変わります。この記事で「これは大丈夫」とは言えません。やる前に、弁護士に相談してください。

浮気の記録として今日から残せること|自分の行動だけを書く

相手を調べるのではなく、自分が見聞きしたことを書き留める。
これなら、誰かの権利を侵しません。

  • 日付と、そのとき起きたことを書く:「◯月◯日、帰宅が午前2時。
    理由を聞いたが答えなかった」。感想ではなく、事実だけを短く
  • 自分名義の口座やカードの明細を見る:自分の口座なので、見て構いません。
    家計の変化は、そこに出ます
  • 相手が言ったことを、そのまま書く:あとから「言っていない」になったときに、
    日付つきの記録があると話が早いです
  • 録音は、自分が参加している会話に限る:自分がその場にいる会話を録るのと、
    自分がいない場所に機械を仕掛けるのは、まったく別です
  • 誰にも共有しない:家族や友人に相談したくなりますが、
    広がった話は戻りません。相談するなら、下の専門の窓口へ

とくに1つ目です。
記憶は変わりますが、その日に書いたメモは変わりません。
そして、これは何の準備にもなります。
話し合うにも、別れるにも、続けるにもです。

浮気調査を探偵に頼むなら|探偵業法が決めている7つのこと

探偵に頼むこと自体は、認められています。
そして、依頼する人を守るための決まりが、法律にあります。

これを知らずに契約する人が多いので、書いておきます。

  • 営業所ごとに、都道府県公安委員会への届出が必要:届出をしていない業者は、
    そもそも探偵業を営んではいけません
  • 契約前に、9つの項目を書面で交付して説明しなければならない:口頭だけで
    契約させる業者は、法律を守っていません
  • 説明する項目に「届出をした公安委員会の名称」が入っている:ここを見れば、
    届出の有無が分かります
  • 説明する項目に「支払う金銭の概算額と支払時期」が入っている:金額を先に
    書面でもらえます。「やってみないと分からない」は通りません
  • 説明する項目に「契約の解除に関する事項」が入っている:途中でやめたときの
    条件を、契約前に知る権利があります
  • この法律によって、他の法令で禁止・制限されている行為ができるようになるものではない:
    探偵に頼んでも、違法な方法が許されるわけではありません
  • 依頼者は「調査結果を違法な行為に用いない」旨の書面を交付する:依頼する側にも、
    書面を出す義務があります

※e-Gov法令検索「探偵業の業務の適正化に関する法律」(平成18年法律第60号)第4条・第6条・第7条・第8条(2026年8月27日 閲覧)

この7つのうち、6番目がいちばん大事です。

「探偵に頼めば、自分ではできない方法で調べてもらえる」と思っている人がいますが、そうではありません。

法律に、はっきり書いてあります。この法律があるからといって、他の法令で禁止・制限されている行為ができるようになるわけではない、と。

だから、「どんな手を使ってでも」と言う業者は、避けてください。そこで得たものは、使えないどころか、依頼した側の立場を悪くします。

頼む前に、この3つを確かめてください。

  • 届出をした公安委員会の名前を、書面で見せてもらう
  • 契約前に、9項目の書面を受け取る(その場で契約しない)
  • 「調査してどうするか」を、先に自分で決めておく

浮気の悩みは何をどこに相談すればいいか

→ 表は横にスクロールできます

相談したいこと 相談先 最初の一歩
離婚・慰謝料・証拠の使い方 弁護士 費用が心配なら法テラスへ
どこに相談すればいいか分からない 法テラス 電話で窓口を案内してもらえる
つきまとい・待ち伏せ・暴力 警察 最寄りの警察署・相談窓口
女性の立場からの人権相談 法務局 女性の人権ホットライン
眠れない・食べられない 精神保健福祉センター 心の健康相談/かかりつけ医
調査を頼むかどうか 探偵業者 上の3つを確かめてから

順番があります。

「確かめてどうしたいか」が決まっていないなら、探偵より先に弁護士です。

調査は、目的が決まっていないと何を集めればいいかも決まりません。先に「どういう形で使うのか」を聞いておくと、無駄な調査をせずに済みます。

そして、身の危険を感じているなら、順番は関係ありません。警察が先です。

浮気の心配について、よくある質問

車にGPSを付けるのは、本当にだめですか

警察庁は、ストーカー規制法の規制対象行為に「紛失防止タグを用いて位置情報を取得する行為」などが加わったと公表しています。

改正のきっかけとして挙げられているのが、「元交際相手等の自動車等に紛失防止タグをひそかに取り付け、その位置情報を取得する事案」です。

個別の状況で判断が変わるので、この記事で「あなたの場合はどうか」は言えません。付ける前に、弁護士か警察に相談してください。付けてしまってからでは、戻せません。

夫婦なら、相手のスマホを見てもいいのでは

夫婦だから何をしてもよい、とはなりません。

そして、法律の話を別にしても、実務的に損です。見たことが分かった瞬間、話の中心が「浮気」から「勝手に見た」に移ります。

判断は状況で変わります。見る前に、弁護士に「何なら問題ないか」を聞いてください。聞くだけなら、取り返しがつきます。

探偵の費用はいくらくらいですか

この記事では書きません。調査の内容と期間で大きく変わるからです。

代わりに、法律が決めていることを書いておきます。探偵業者は、契約前に「対価その他支払わなければならない金銭の概算額及び支払時期」を書面で交付して説明しなければなりません。

つまり、金額を書面でもらえます。「やってみないと分からない」で契約させようとする業者は、そこがおかしいです。

確かめないほうがいいのでしょうか

そうは言いません。ただ、順番があります。

先に決めるのは「確かめて、どうしたいのか」です。別れたいのか、続けたいのか、請求したいのか、ただ知りたいだけなのか。

ここが決まると、「そもそも調査が要るのか」も見えてきます。続けたいだけなら、証拠より話し合いのほうが近道のことがあります。

そして、確かめても不安が消えない形になっているなら、不安のほうを先に扱ってください。

まとめ|浮気を確かめる側が規制される側にならないために

  • 紛失防止タグで位置情報を取る行為は、ストーカー規制法の規制対象に加わりました
  • 「相手が悪いのだから」は通りません。浮気の有無と、方法が適法かは別の問題です
  • 今日からできるのは、自分が見聞きしたことを日付つきで書き留めることです
  • 探偵に頼んでも、他の法令で禁止された行為ができるようになるわけではありません

先に決めてください。「確かめて、どうしたいのか」。
ここが決まっていないと、確かめたあとに動けません。

身の危険を感じているなら、順番は関係ありません。警察に相談してください。

二人の関係のことで、ほかに気になる場合